
★★★★★ 和製フリー・ソウルの最高傑作
本作の音楽は、過去やこれ以降の必殺音楽の中でもかなり異質なアプローチを試みています。
デキシーや演歌調に混じって、特に際立った印象を残すのが、当時流行だったディスコ調を取り入れたBGM。
からくり人のモチーフテーマとして制作されたオープニング曲「許せぬ悪にとどめ刺す」が顕著で、
作品世界を象徴するテーマとして江戸風俗、サスペンス、謎解き、殺陣等あらゆるシークエンスにハマってしまう
魔法の様な一曲です。
この曲の持つ雄大な雰囲気が、シリーズ中最も客観性が強いからくり人の俯瞰的な世界観をより後押ししていた様に
思います。
実はこの曲、バリー・ホワイトの「ラプソディー・イン・ホワイト」と言う、あのウィークエンダーのOPにも
使われたソウル・ディスコの名曲をパク・・もとい下敷きにしています。
ある意味風刺講談的な印象のある同番組(そう言えば本来の必殺の時間帯なら裏番組ですね)のモチーフを
中村敦夫や和田アキ子登用と同じ様な意味合いで、逆手にとったのかどうかは今となっては不明ですが
使用の方向性としては同じでも、さらに微妙なサスペンスタッチなフレイヴァーを加えた事が、この曲を
極上のソウルに仕上げています。
このソウル・ディスコの方向性は、後の新仕置人でより統合、炸裂するのですが、黎明期(と言っても半年前ですが)
に横殴りの様にこの音をかぶせてきた度胸とセンス、そしてそれを受容するのからくり人の世界観は、
日本のドラマ史上に於いて一つの頂点だった様にも思えます。
(恐らく作曲は平尾氏ではなく、竜崎氏だと憶測しているのですが・・)
90年代に、70〜80初期の埋もれたソウル系の名曲を新たな解釈のコンピレーションで再発して行く、
という動きが世界規模で流行ったのですが、さしものレコードコレクター・バイヤー達も、
このからくり人の素晴らしさは見落としていた様です。(まあフツー時代劇のサントラは聴かんだろーなー)
必殺ファンとしては、世界に出しても恥じない一級のBGMを、ひっそりと染み込ませてもらっていた事に
例え様もなく感謝するものです。
★★★★★ 必殺シリーズ・・・
と言えば、中村何某のイメージが強いのですが、このからくり人も音楽・物語共に素晴しい作品です。
このサントラ、作品にマッチしているのは勿論の事、70年代の雰囲気そのものなので、今聞くと逆に新鮮です。
OPの「雨が降ったら傘を差す・・・」をはじめ、ファンの方なら「そうそう、これよ、これ」と、お馴染みの音楽が楽しめます。
ただ、全ての曲が収録されているわけではないので、そこが残念です。
なので、星を1つ減らしました。
この手のCDは一度買いそびれると、欲しいと思った時には手遅れ、なんて事があるので
本編が大好きで興味のある方は買っておいても損はないと思いますが、それ以外の方にはおすすめしません。
★★★★★ 明と暗のBGM
明るい曲が多いので新鮮。従来の暗く悲しい曲もあり、改めて奥の深さを感じる。川谷拓三の主題歌もマッチしている。
